実際に完成した建物を見ればすぐ気づくことでも、広告の図面やモデルルームにある模型だけ見ていてもなかなか気づかないことって多いですよね。
完成前にマンションの本当の価値を少しでも正確に知るためには、なかなか気づきにくい点についての見方を色々と知っていると役に立ちますよね。
例えば、敷地内に複数の棟のあるマンションの配棟計画を見る際のポイントってなんだかお分かりになりますでしょうか?
それは、それぞれの棟同士の距離に注目してみてください。
敷地内に複数の棟のあるマンションの場合、ポイントはプライバシーと日照です。
プライバシーについては、例えば住宅の窓同士が向かい合っている場合などは、かなりの距離を取らない限りプライバシーを保てないため、通常は全体の配棟計画にてなるべく向かい合う住宅がなくなるように計画します。
こちらは配棟計画自体で解決できる場合が多いので、あまり住宅同士が向かい合っているということはないと思います。
問題は、日照です。
敷地の形状によっては、どうしても複数の棟同士が近接せざるを得ないことが多く、ある棟の建物の北側にある住宅は日影になる時間が多い、なんてことがよくあります。
そこで注目するべきは、それぞれの棟同士の距離です。
通常、日が一番当たりにくい冬至の場合、建物高さの1.6倍程度の日影ができますので、
それ以上の距離が離れていれば問題ありませんが、それ未満の場合は、日照に問題が出る場合がありますので、注意が必要です。
この
ザ・ガーデンズ東京王子
の場合、
広大な敷地に複数の棟が計されていますが、①カームコートおよび②ブルームコートの一部が他の建物の北側に配棟されており、リビング面に影ができる恐れがあります。
※物件HPより。
影を作ってしまう可能性のある建物が18階建てで約54Mの高さ(18階×3M/1階あたり)がありますので、54M×1.6倍で86.4Mの離隔距離がないと日照の問題がでる可能性があるかもしれないと考えるわけです。
※ちなみに上記は1階の住宅の場合の概算目安で、上階になればその差分を計算すればいいことになります。(例:5階の場合。18階-4階×3M×1.6倍=67.2Mの離隔必要)
いざマンションが完成してみて思ったより日影になる時間が多いな、ということがないように棟同士の距離をそんな視点で確認しておいてもよいかもしれません。
(実際には、売値にはそのあたりの日照条件が加味されていることが多いとは思いますが。)
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